いちころ主任日記

いちころ主任日記#7 下色の話

いちころです。

 

隠蔽性が悪い色ってたくさんあると思うんですが、

その色を塗装する際、『下色』が重要になってきますよね。

 

赤や黄色系、場合によってはソリッドでも、

なかなかトマリが悪い場合は、下色を塗って色を作ったりすると思います。

 

そんなトマリの悪い色を、今日ウチの後輩君が調色していた時、

バイトさんと僕の先輩(どっちも塗装屋)と少し揉めたらしく、

いや揉めたというより、二人にフルボッコにされたと、僕に相談してきました。

 

後輩君は何を言われたのか、何でフルボッコにされたのか。

今回はこの内容で書いていきますね。

 

下色込みの調色

調色のやり方は人それぞれで、色んなやり方があることは理解しています。

それを踏まえて進めて行きますね。

 

僕の場合、トマリの悪い色っていうのは

『下色込み』で調色します。

例えば赤系で下色をグレーにして、作った色がちょっと濃かった場合、

まず色を触らずに下色を薄くして様子を見るとか。そんな感じですね。

なので新品パネルの塗装の場合は、まずは調色で作った下色を塗り、

ボカシパネルには塗らずに、そのまま上からベースを乗せる。

色々試した結果、この方法で上手く行っているので、これが僕の塗り方として定着してます。

 

この方法をそのまま後輩君に教えていて、

実際に結果が出ているので、そのままやってもらっています。

 

ここまでが前提です。

で、2人に何を言われたか。

フルボッコにされた内容を書いていきますね

 

下色なんか関係あるん?

2人が言ってきたことには共通することがあって、それが

『下色なんか関係ない』

ということ。

色がトマろうがトマらなかろうが、そんなもんは関係ない。

色が留まるまで塗り続けたらエエねん。

トマってないのは、塗り方が悪い!

そもそも下色で上の色が変わること自体間違ってるねん!

 

こういうことを、2人から詰められ、

僕に相談してきたという感じです。

 

下色が関係ない?

僕からしたら、なにゆってんの?ですね。

下色が何であれ、トマるまで色を乗せ続けるというのは

僕の中では無い選択肢です。

 

言ってることは理解できます。

トマるまで色を乗せ続け、トマった色で調色したらええやん、と。

トマってないというのは塗り重ねが足りんという事で、それやったらもっと乗せんかい、

下色なんか関係ないやんけ、と。

 

2人の言い分をまとめると、こういうことになります。

 

…なにゆってんの?(真顔)

 

下色が関係ない色

読んでる方の全員はお分かりだと思いますが、

そんな訳ないですよね。

それはトマリの良い色の話であって、今合わせてんのはトマリの悪い赤パール。

下色なしで塗ったら、いつまでも色がトマらないし、逆に塗り重ねすぎたら

色が濃くなって、狙った色が再現出来ない。

 

白とか黒なら話は分かるけど、正直今更そんなこと言うか?

何年やってんの?という感じでしたね。

 

ちなみに2人の塗り方は、ヘビーウエット。

サフだろうとベースだろうと、何をするにも濃い色をベタ塗するやり方で

塗り方だけ取ったら、水性塗料の塗り方に近いんですかね?僕は水性には疎いので分かりませんが

溶剤でそれをやると、とにかく染まりすぎてめちゃくちゃ色が濃くなる。

 

なので2人の塗り上りは、垂れたり沸き気味だったりすることが多く、

塗りを任せることはほとんどありません。

 

その場に僕がいたら、普通に説得してたんですが、

後輩君一人だと、そら無理だったでしょうね。

自分の親父ぐらいの年齢のオッサン2人に詰められたらね。

 

僕の答えなんですが

『分かると思うけど、二人はまだそこやねん。下色がどんだけ大事なんかが分かってないねん。

だから二人に言われたことはスルーしていいし、後輩くんの考えは合ってるで。自身持ってやったらええねん』

と言っておきました。

 

 

あとがき

今回は、下色について、現場で揉めてた話について書きました。

ウチは関西ペイントを使っているんですが、例えばロックペイントだと

色ごとにサフェーサーの色の指定があり、それによって色を合わせたりしますよね。

 

僕はそれを応用して、関ペでもトマリの悪い色の場合は

下色を調整して色を合わせてるんですが、その辺りを理解できない人というか

分かってもらえない人は、一定数います。

 

それは別に良いし、下色関係なしで上手く塗れるならそのままやってもらっていいんですが、

持論を押し付けてくるのは、ホントやめて欲しいです。

 

皆さんも、もしかしたら経験済みかもですけどね。

『オレが正しいバトル』を仕掛けてくる人とかはとくにね。

 

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