いちころ主任日記

いちころ主任日記#6  積み上げるものの違いの話

いちころです。

 

人の作業を見ていて、

うわ、この人めちゃくちゃ上手いな!

と思うことってありますよね。

 

仕事の仕上がりもそうだし、スピード、段取り、

まわりとの連携など、上手い人って全体の状況をよく把握してるように思います。

誰が何をしてるかとかの認識も含めてね。

 

でもそうでない人。下手とまでは言わないけど

なんか抜けてる人って、やたらとこだわり感が強く

自分のやってることだけで完結してる人が多いように思います。

自分の作業はコレ!オレには関係ないから他のは知らん!みたいな感じで。

 

この2つの違いって何なのかを考えたとき、

積み重ねたものの差かなと思ったんですよ。

 

技術もそうだし、まわりとの連携もそう。

 

今回はこの「積み重ねたものの差」について書いていきますね。

例によって独断と偏見を大いに含みます。

 

上手い人と下手な人の差

何をするにしても、スタートラインって一定ではないですよね。

それまでの経験の積み重ねからくる、得手不得手もありますからね。

向き不向き、実力の差とかは別にして

作業に対する取り組み方というのは、変えようと思えばどうとでも変えれるじゃないですか。

 

そんな仕事に対する取り組み方を、主任目線で見たとき

上手い人と下手な人の違いがちょっと見えたので、

それぞれに分けて僕の考えをまとめますね。

 

 

常に改善している人が多い

まず上手い人の特徴ですが、何ていうか

そんなにこだわりが強い人がいないように思います。

これじゃないとアカン!』『このやり方じゃないと出来ん!

といった感じの。

 

駄目なら改善し、やり方や道具を変える。

まわりの意見をよく聞き、時には後輩の意見も聞いて、

何ていうか『上手く仕上げるために最善を尽くすことにこだわりがない

そういう印象を受けます。

 

こうすることで、何がどうなるのかと言うと

僕の造語ですが『質の高い失敗』をするようになります。

これは何のことかと言うと、一般レベルでは分からないような

『え?これのどこがアカンの?』レベルのミスかどうか分からないくらいの不具合。

それに気づいて改善し続けている状態です。

 

ところがそのレベルの人達には通じている。

それくらいのほんの些細なミスにも目が行き、

そのレベルで毎日何年も改善し続けるから、もう一般修理としてはオーバーキル。

それ以上煮詰めても、誰も気づかんよ、というところまで昇っている。

 

上手い人は、そんな失敗かどうかも分からない不具合を失敗と捉え

質の高い改善」を日常的にやっているように思います。

でも、そんな上手い人に限って、上手い下手にはあんまり興味がなく

改善し続けることに全集中してたりするんですよね。

 

個人的には憧れるし、そうありたいと思います。

 

 

視野がとても狭い

次に下手な人の特徴というか、

これは一概には言えないので、要所で読んで欲しいっていうことを先に言っておきますね。

 

まずなんですけど、

現状維持で行きたいと思っている人が多い

これは共通してますね。

 

今まで自分が覚えてきた、やってきたことに自身とプライドを持ち

やり方も道具も変えようとしない。

そもそも変える気がないのか、めんどくさいのか、

それともそこまで一生懸命ではないのか。

とにかくやっていることが、いつまでも同じです。

なので、慣れはするけど成長はしない

そんな印象を受けます。

 

また、周りの意見もほとんど聞かず

ダメ出しでもしようものなら、全人格を否定されたように怒り、

もう手のつけようがない。

僕ら世代の昭和のおっさんが坊主の頃は、こんなオヤジばっかりでしたが

その生き残りが今でもいますね。実力は伴いませんけどね。

 

また、自分のことはそれなりにやるけど

周りのことは、そんなもん知るかで済ます人も結構いて、

一般的には気難しく、癖のある人と言われることあります。

 

正直、主任の立場から言うと、こういう視野の狭い部下には手を焼くので

関わりたくないというのが本音です。

 

 

何を積み上げるのか

僕は、技術は経験の積み重ねだと思っています。

だから、他人からのアドバイスというのは聞くだけではダメで

実践してナンボ、失敗を改善してナンボです。

 

ちょっと説教ぽくって申しわけないですけどね。

 

で、その中身は何かというと、ひとことで言えば

上手く仕上げるための逆算かなと。

今回の記事のキモはここです。

 

余計なこだわりはなくし、上手く仕上げるために

ゴールを決め、そこまでの道筋が分かると、逆算が出来る様になります。

塗装で言えば、例えば色ムラを抜きたい場合、改善点が

・シンナーの選定

・エアー圧

・塗り方

など、それぞれに思いつく項目があるとして、それらを1個ずつ改善していく。

これが、ゴールからの逆算の1例です。

 

失敗したことに対して、闇雲にやり続けるだけではなく、

成功する方から考える感じですね。

これはみなさんもやられている方が多いと思います。

 

では話を戻して、上手く仕上げるために何を積み上げるのかと言うと

・どうすれば上手く仕上げることが出来るか

・自分が駄目なところはどこか

・客観的な意見を聞くために仲間の意見を聞く

・やり方を変えて工夫する

 

駄目なところを理解し、改善していくこと。

上でもサラッと書きましたが、仕事に対するこういう姿勢が

技術向上のためには最も重要であるし、また効率的だと思います。

 

プライドの話

1番邪魔をするのがプライドです。

仕事の仕上がり=自分のすべて

と思っている人の場合、一生懸命すぎるあまり

ダメ出し=自分否定と捉える人がいます。

 

これは少なからず理解できるし、だからこそ言う方も言葉を選ばないと

揉め事の原因にもなります。

 

でも、言い換えたら『あ、まだそこなんやな』と。

自分が通り過ぎた、あぁ、まだあの辺か、みたいな感覚で見ることが出来ます。

 

人間なんで、誰しもこの『ダメ出し=自分否定』の感覚は持ってるし

完全に抜き去ることは出来ない。それはわかりますが

でも、目的達成のために、とりあえず避けておくことは出来ます。

 

自分のプライドより、仕上がりを優先できるようになれば

積み上げるものも変わります。

 

結論、気持ちはわかりますが、プライドにこだわっても腕は上がらんし

こだわるほどのモノでもないですよ。

 

 

積み上げと慣れの違い

お分かりのように、鈑金塗装の仕事は、年数を経験すれば自然と腕が上がるものではないですよね。

何年やろうが、下手な人は下手のまま。

逆に上手い人はどんどん腕を上げていく。

 

その違いは、積み上げと慣れの違いだと思います。

 

失敗し、改善してどんどん積み上げるように腕を上げるのか。

それとも失敗しても、同じやり方で、そこまでの工程に慣れるだけなのか。

 

これは、年数が経てば経つほど、埋めることが出来ないほどの大きな差になります。

そもそもやっていることが違いますからね。

 

動きや目線も変わり、全体を見れるようになるのか、

自分だけにこだわり、視野が狭くなるのか。

 

人財になるのか人罪になるのか

 

現場でのあり方も、全く異なるようになります。

 

 

あとがき

今回は、積み上げるものの違いということで

上手い人と下手な人を例に上げて書きました。

 

説教じみたことを書きましたけど、こうでないと駄目っていうことではなく

誰でもどっちの要素もあって当然だと思います。

人の数だけやり方があるというのは、そういうことですからね。

もちろん僕もそうです。

 

なので、『あ、なんかこだわってるな』と感じたとき

パッとやり方を変えれるようになったら、1歩進めるじゃないですか。

仲間の話を素直に聞くとか。

それだけで、自分も成長できるし、まわりとの関係も良くなるしね。

 

僕もまだ勉強中ですけどね。

 

 

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