いちころ主任日記 油断の改善

いちころ主任日記#3 「油断」の話

いちころです。

 

作業にはミスはつきものですが、

僕らの仕事である自動車塗装は、特にミスが起こりやすいと思いません?

 

油断が引き起こすミスと、運が絡むミス。

 

うわ!マジでか!とブース内で思わず言ってしまうような

」の要素が絡んだ失敗って、それはもう仕方がないと割り切るしかないですが、

そうではない「油断」が引き起こすミス。これは改善の余地がありますよね。

 

誰でも気を抜いたらやってしまう「油断」。

 

今回はこの、「油断が引き起こすミス」について

ちょっと書いていきますね。

 

油断の中身とは?

油断=気を抜くこととして話を進めますけど、

ミスをしないようにするために、

じゃあ次の作業からは「一切油断しないようにしよう!」と思っても、

まぁそんな急に出来るようにはなりませんよね。

人間なんで、そりゃ作業中に気が緩む瞬間はありますよ。

 

でも、その油断の中身を理解すれば

間違いなく改善する方向に進むと思うんですよね。

 

…というかなります。

もう言い切ってしまいますよ。

 

じゃ、その油断の中身は何なのか。

それを、僕が作業中に起こしやすい油断を4つを例に出して

順番に紹介していきますね。

 

過信による油断

「これくらい余裕や」

「これやったらノーチェックで行けるわ」

こんな風に、自分の腕を過信して、確認を怠った時にがぎってミスをする。

これが、「過信による油断」です。

 

僕も、このミスは嫌ほど経験していて、

これぐらい大丈夫やろ

と思ったら、全然大丈夫じゃなくて、やり直したことが何度もあります。

 

頭では駄目だと分かってても、思わずやってしまう。

その中身は、ほんの少しの確認を怠ったことで起こることがほとんどです。

 

慣れによる油断

事故は毎回違うとはいえ、

塗装の作業は結局のところ、似通った作業になることが結構ありますよね。

例えばマスキング。パテ修理。

 

毎日やっていると、ルーチン化して

あまり考えなくても、体が勝手に動くようになります。

 

これはみなさんもよくお分かりのことだと思いますが

これが結構見落としがちなミスに繋がることがあります。

 

やってるつもりで、やれてない

 

例えばパテの硬化剤の量。目分量でやってませんか?

シンナーの選定。温度・湿度計だけ見てやってませんか?

 

普段なら、何も考えなくてもうまくいく作業も、

ほんのちょっと条件が変わるだけで、途端に失敗してしまう。

 

硬化不良、垂れ、ツヤ引き。そしてやり直し。

 

こういう慣れからくる油断も、結構厄介です。

 

 

気の緩みからくる油断

気が緩むと聞くと、ボケっとしてることを想像しがちですが、

僕が思う気が緩むというのは、「よそ事を考えている」場合です。

 

今、目の前の作業を全集中でやらないと駄目なときに、

今日の晩酌のアテを考えたり、次の休みの予定を考えたりするとかね。

 

またこれは、気分や疲れによっても起こります。

 

例えば、知人や家族、または何か解決できてない問題があったり、

単純に忙しすぎて、体が疲れすぎて集中できないとか。

そのことでアタマがいっぱいになる。

 

脳のリソースという言葉を使うなら、

目の前の作業以外のこと以上に、よそ事を考えている状態。

 

これが僕が思う「気が緩んでいる状態」です。

これも結構ありますよね。

 

 

作業状況による油断

作業状況と聞いても、なんのことやねんと思うかもですが、

これは例えば、納期が迫ってるとか、あとは各工場でよくありがちな

それぞれの段取りから、急かさたりする場合ですね。

 

自分の段取りでやりたいから、はよせえとか。

 

要は、いつもの自分のペースで仕事ができない状態です。

 

ここで何が起こっているかというと、もうお分かりだと思いますが

アタマの中は「怒り」でいっぱいになっています

 

お前の段取りなんか知るか。

急にはよせえとか言うな。

忘れてたオマエが悪いんやんけ。

オマエの尻拭いなんかやってられるか。

 

もちろん、作業を受けていたら、忙しくてペースを上げないといけなくなる場合はもちろんあります。

でも、予定外に急かされたり、言い方が雑だったりする場合は話は別。

アタマの中は不満で一杯になります。

 

脳のリソースが、不満や怒りでいっぱいになると、

塗装の仕事はほぼ100%失敗します。

冷静な判断ができなければ、絶対にいい仕上がりにはなりません。

 

結構ありがちな油断です。

 

 

解決する方法は2つ

4つの油断を紹介しましたが、どうでしょう?

みなさん自身で、当てはまることってありました?

もしくは、他にもあるかもしれませんね。

 

では次に、この4つの油断を改善する方法を

サラッと書いていきますね。

方法は次の2つです。

 

余計な気分はブースの外に

突然の人生論になりますが、

生きてたらいろんな問題が起こります。

仕事の段取り、家族のこと、他人との関わり。

良いことも悪いことも色々ありますよね。

 

ですが、それは目の前の作業とは全然関係ない。

 

だから、良い気分も悪い気分も、一切合切ブースの外においてくる

一旦置いてからブースに入る。

 

イメージで言えば、例えばマスキングテープを入れる箱があるなら

箱の中に気分を全部置くつもりで、一旦リセット。

それから塗り始める感じです。

気分的にすぐれないときは、そういうルーティンって結構使えますよ。

 

理想の仕上がりからの逆算

塗装屋なら、誰しもがキレイに1発で仕上げたいと思ってますよね。

でもそうならないのは、油断が原因なんですが

そうなる原因は何なのかと言うと、結論、

駄目な仕上がりになってもいいと認めてるからです。自分で。

 

まぁエエか」「これくらい行けるやろ」。

この言葉が証拠です。

もっと細かく言うと、駄目でも行く。これで納める。

そう言ってるわけです。

 

キレイに仕上げたいのに、キレイにならない。

1発で仕上げたいのに、手直しをしないといけない。

 

そうしないためには、「まぁエエか」というところをスルーしないことです。

もっと言えば、自分で駄目だと気づくところがある、あったにも関わらず

そこをスルーして、仕上げることを優先しない。

スムーズに仕上げることのみを優先しない。

 

駄目なものは駄目だし、行けないものは納車できない。

 

まぁエエかをスルーせず、「あ!」と思ったら止まる。手直しをする。

量る。確認する。

 

それが、僕が油断を回避する具体的な対策です。

 

 

あとがき

今回は、油断についてサラッとですが書きました。

もうちょい深く書きたかったんですけどね、

あんまり書くのもどうかと思ったので、これくらいにしときますね。

もしリクエストがあれば、また続きを書くかもですけど。

 

ホンマ、油断と失敗はつきもので、

分かっててもなんでやねん!って思うくらいやってしまう。

今さっき自分で注意するっていうてたよな?ほんで失敗するんかい!みたいな感じで。

まぁエエか」は、まぁ良くないんすよ。

そこで止まれるようになれば、もう勝ち確です。

 

まだまだ僕はひよこレベル。

心の弱さがめっちゃ出ますわ。

特に忙しいときなんかはね。

 

 

 

 

 

 

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