いちころです。
地域や現場によって、鈑金と塗装を両方やる人もいれば
片方に特化してる人もいますよね。
兵庫県では、基本的に別れてやる工場が多く、
なんなら工場自体が、塗装だけ、鈑金だけというところもあったりします。
今はどうか知りませんが、昔は塗装専門の工場が多くあり、
『あそこは〇〇が上手い』
『この仕事やったら〇〇に頼もう』
など、作業内容で外注先を選んだりしていた時期があったそうです。
で、今回のテーマはタイトルにある通り
『仕上がりの粗い鈑金について』
です。完全に塗装屋目線の話になるんですけどね。
今回はこの内容について、皆さんと共有出来たらと思います。
これでパスされても
鈑金の作業は難易度の高いものが多く、
近年のクルマでは、分解するのも一苦労といったものも多くありますよね。
外したら割れるとかね。
そうなると、塗装でもそうなんですが、やっぱり人によって差があって
上手い下手がどうしても出ますよね。
めちゃくちゃ早いけど直ってないとか。
いつまでやってんねん!ってくらい遅いけど完璧とか。
僕の話で言うと、今まで勤めた工場では上手い人がたくさんいて
綺麗に仕上げて受けたときは、ほんとスムーズに進めることが出来てました。
けど、やっぱり中にはナニコレ途中?っていう感じの仕上がりで投げてくる人もいて、
そうなると下準備にえらい時間がかかってたんですよね。
こんなんで投げてくんなや、ってね。
上手い鈑金とそうでない鈑金の仕上がり。
作業の効率だけを考えたら、当然上手い方のが助かるんですが、
実は荒い鈑金でも、学ぶことが多くあるんですよ。
なんとかして仕上げる工夫
仕上がりの粗い鈑金というのは、歪みが直ってない状態でパテを盛っている状態ってことで
話を進めますね。
あんまり出してなくて、まだだいぶ凹んでるとか。
出しすぎたのか高すぎるとかね。
やってるときはめちゃくちゃ大変なんですけど、
こういうのをずっと続けていると、工夫するのが習慣になるんですよね。
例えば当板の種類。硬さだったり形とか。
パテの乗せ方とか。
旧塗膜の処理の仕方とか。
パテの研ぎ方。
面を出すための撫でる感覚。
そして最終の判断。
僕の場合、こういう感覚がすごい鍛えられましたね。
上手い鈑金
反対に上手い鈑金の場合はどうかというと、
お分かりのように、めちゃくちゃスムーズに進みます。
綺麗に鈑金してくれているし、パテも薄い。
歪も抜けているので、ちょっと研いだらもう出来上がり。
ポリパテいる?くらいの仕上がりですね。
作業も楽だし、スムーズに進む。
言う事無しです。
仕事が上手いと言われる現場、もしくは職人の方は
もれなくこっち側の人で、SNSでもよく見かけますよね。
パテなしの鈑金だったり、その他の仕上がりとか。
作業の流れや儲けを考えると、間違いなく上手い鈑金の方が助かります。
工夫の余地
上手い鈑金と粗い鈑金を比べた時、確かに仕事としてみたら
上手い人の方が優秀なんですが、これね、見方を変えたら
工夫する余地がないんすよね。
上でも書きましたが、粗い鈑金を多く触っていると、
なんとか仕上げようとして、色んな工夫をする習慣が付きます。
いろんな感覚が鍛えられるんですよね。
精神的にもね。
でも、上手い鈑金ばっかり触ってたら、おそらくですが
工夫する余地があまりない。
上がってきた状態がもう綺麗なので、そこまで工夫しなくても
仕上がるからね。
いつも工夫してる人が、上手い鈑金を見ると、
『やりやすいな~、助かるわ』
ってなるんすよ。
でも、きれいな上がりばっかり触ってる人が、粗い仕上がりを見ると、愚痴が出るんですよね。
『ナニコレ?途中?やり直して』
とかね。
これは、歪みを抜くのが鈑金屋の仕事と思い込んでるとか、
なんでこんなんやらなアカンねん、っていう手間的な不満とか、
そういうのもあると思いますが、
実際のところ、仕上げる自信がないってのが本音なんすよね、おそらく。
工夫をあまりしてこなかったから。
もしくはする必要がなかったから。
僕の経験上ですが、愚痴を言う人の作業を見ると、
ちょっとボカシますが、まぁ残ってますよね。歪み。
そう考えると、粗い鈑金を触った方が、工夫する習慣がついて
技術が深まるんやなと思いますね。結果的にですけど。
あとがき
今回は賛否は分かれると思います、鈑金の仕上がりについて書きました。
僕の場合は、鈑金が終わってパテが付いた状態でパスされるので、
こういう内容になったということをご理解いただければ。
実際の所、そんな上手い下手言うんやったら
自分で鈑金したらええやんけ、というのがホンマなところなんでしょうけど
問題はそこではなくて、歪みを抜く工夫をするかどうかで、
それは、きれいに仕上がったものより、粗いほうがその余地があるよってことなんすよね。
環境が過酷な方が成長するじゃないですけど、
パスされた仕事が粗くても、文句を言わず、そこから自力でなんとかする工夫をすることを
デフォルトにしたら、そっちのほうが腕が上がると思うんすよね。